著者
川口 真実 / 行實 志都子
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
no.141, pp.83-94, 2019-09-30

本研究は,神奈川県における医療と介護に携わる福祉専門職がもつ連携に対する意識を明らかにすることを目的とした.また,本研究の仮説は,福祉専門職はそれぞれの職場が違っても,地域共生社会を支えるための連携に関する共通認識があるとした. 医療と介護の連携における具体的な共通課題として,「自分たちに求められる力」,「連携を見据えた研修体制の構築」の2つが明らかとなった.しかし,それぞれの専門職間において,"連携"に対する促え方の違いもみられた.この課題を解決するためにも「連携を見据えた研修体制の構築」が必要である.だが一方では,職場の事情により研修に参加したくても参加できないことや,「支援の縦割りの弊害」から自分の支援範囲以外に対する関心の低さが目立った.ただ連携に関する研修を整備するだけでは解決には至らない.連携には何がいるのか,自分はその中で何をするのかということをしっかりと理解し,行動に移すことができるようになる研修が必要である.