著者
川島 啓嗣 諏訪 太朗 村井 俊哉 吉岡 隆一
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.168-174, 2014-04-15 (Released:2017-06-03)
参考文献数
24

電気けいれん療法の刺激を構成する個々のパラメータは,それぞれ固有の神経生物学的効果を有し,有効性や認知機能障害に大きく影響するが,本邦においてそれらのパラメータについて十分な注意が払われているとは言い難い。本稿ではパルス波治療器で調節可能なパラメータである刺激時間,パルス周波数,パルス幅に焦点を当ててこれまでの議論を概観し,刺激時間が長いこと,周波数が低いこと,そしてパルス幅が短いことが効率的な発作誘発に有利であることを確認した。最後にパルス波治療器の最大出力で適切な発作が誘発できない場合に,刺激パラメータ調節が有効な場合があることを特にパルス幅に注目して論じ,その理論的な手がかりについて考察した。