著者
川島 徹治 川上 明希 蘆田 薫 田中 真琴
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.763-771, 2021 (Released:2022-03-02)
参考文献数
30

目的:集中治療領域での終末期患者とその家族に対するインフォームドコンセント(Informed Consent: IC)における看護実践の実施程度に関連する要因を明らかにすること.方法:集中治療領域で働く看護師(96病院955名)を対象に集中治療領域での終末期患者とその家族に対するICにおける看護実践尺度の得点に関連する要因を重回帰分析にて検討した.結果:尺度合計得点が高いことと有意な関連を示したのは,研修参加経験有(β = .098, p = .010),学生時の学習歴有(β = .103, p = .006),他者への相談頻度が高い(β = –.214~–.034, p < .001),最終学歴(β = .057~.063, p = .010),診療体制:セミクローズド(β = .093, p = .023),フリー看護師がいる頻度が高い(β = –.044~–.141, p = .021),看護提供方式:パートナーシップ(β = .095, p = .007)であった.結論:ICでの看護実践の充実には,問題対処への積極的な姿勢や学習経験,看護提供体制の重要性が示唆された.