著者
中村 和裕 川崎 平康
出版者
群馬大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

私は近年、中赤外領域の特定の波長の光が凝集Abeta1-42ペプチドを解離させることを見出した。今回アルツハイマー型認知症4例の前頭葉の凍結ブロックを試料として、6ミクロンの波長の光を照射したところ、アミロイドベータ抗体のウェスタンブロットで、一部の症例で高分子量型のシグナルの移動度が照射によって変化した。このことは、モノマーではなく複雑な構造を持つアミロイドベータの構造が照射により変化した可能性を示唆する。しかしながら、全症例ではなく一部の症例のみに変化が見られたこと、毒性をもつ構造体が照射によって減弱したかわかっていないことから、今後、照射後の神経機能について解析を続ける予定である。