著者
川崎 弘美 元岡 展久
出版者
日本インテリア学会
雑誌
日本インテリア学会 論文報告集 (ISSN:18824471)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.121-128, 2018 (Released:2022-06-01)

19−20世紀転換期のウィーンにおいて,コロマン・モーザー(Koloman Moser/1868−1918)は,本来画家でありながら空間デザインで活躍していた。本稿の目的は,モーザーによる空間デザインを彼と同時期に共に活動したヨーゼフ・ホフマン(Josef Hoffman/1870−1956)と比較し,彼らが1903年に設立したウィーン工房の設立以前とウィーン工房時代の変化を考察することである。各々の主導あるいは協働でデザインした住宅を研究対象とし,文献と当時の写真資料をもとに,具体的に壁などの装飾の文様,家具と照明具の形状,色彩を時系列に挙げ,両者の担当を示し分析した。その結果,ウィーン工房設立によって,両者の空間デザインで相互の影響が見られた。
著者
川崎 弘美
出版者
日本インテリア学会
雑誌
日本インテリア学会 論文報告集 (ISSN:18824471)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.101-108, 2013 (Released:2022-06-01)

本研究の目的は,世紀末ウィーンにおいて,コロマン・モーザー(Koloman Moser/1868-1918)が提示した革新的に簡素な空間デザインについて,その展示と住宅の空間デザインの関連性を明らかにすることである。文献による当時の写真資料をもとに,まず展示を概観し,その中からモーザーによる最も簡素な空間デザインを抽出する。その後,その空間デザインに影響を与えた住宅を見出す。その際,同時期の空間デザインと比較することで,モーザーの簡素さを確認していく。さらに,彼の簡素な空間デザインの源泉を,建築家チャールズ・レニー・マッキントッシュの空間デザインに見出し,考察する。