著者
川崎 萌子 野口 猛 王 権
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第124回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.488, 2013 (Released:2013-08-20)

クロロフィルaとクロロフィルbが混在するアンテナLHCⅡは、光に対して敏感に反応しアンテナサイズを調整し、光捕集と光防御両方の役割を担う。弱光下ではアンテナサイズを大きくするためクロロフィルa/b比が上昇し、反対に強光下では葉内クロロフィルa/b比が下がる。このようにクロロフィルa/b比は葉のストレス状態を示す指標として重要視されている。一方近年では高分解能光センサーによって葉の分光反射特性を利用し、葉内光合成色素量を推定できる分光反射指数を求める研究が進められている。本研究では、新潟県南部苗場山系ブナ林成長固定試験地における葉群に対し、遮光シートにより被陰処理を行った。被陰処理は遮光シートの枚数により被陰の程度を変え、処理期間中1,3,5,7,14,21,27日目に葉の分光反射率を測定した後葉内クロロフィルを定量した。既存の分光反射指数を用いてブナ個葉のクロロフィル量の推定を行ったところ高い相関が得られたが、クロロフィルa/b比についてはどの指数に関しても相関は低くなった。また、総当たりにより、クロロフィルa/b比を推定する新たな分光反射指数をSR型、NDVI型について探索した。