著者
川橋 裕
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.239-248, 2010-10-22
参考文献数
9

ネットワークおよびサーバ系システムを基幹とした情報基盤において,現在はコンテンツを含めた情報基盤の整備と,社会的対応を考慮した運用管理が求められている.技術進化による多様なコンテンツは,これまでの情報基盤と一体化して運用管理の負荷を上げている.一方で情報漏洩や苦情対応など法律的,道義的責任を問われる案件が急増している.しかし,幅広い技能と経験に依存している情報危機管理において,人材が著しく不足している状況は変わっていない.これは情報危機管理における,人材育成に必要な体系化したプログラム構築が困難であることに起因する.我々は本研究で,実践形式による演習を通じて情報危機管理の人材育成を進めてきた.実際の運用管理を模した環境下で適切な演習運用フレームを適用することが,得難い経験と座学の有効な活用につながる.本論文では,情報危機管理における演習環境の構築と運用について述べる.