著者
速水 格 川沢 啓三
出版者
日本古生物学会
雑誌
日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
巻号頁・発行日
vol.1967, no.66, pp.73-82_1, 1967

高知県須崎市北方の仏像構造線に沿って分布する堂ガ奈路層からNeithea(1新種を含む), Plicatula, Amphidonte, Pterotrigoniaよりなる海棲二枚貝が発見されたので報告する。これらの化石の多くはこれまでに日本各地の宮古統および最近発見された台湾のAptian層の二枚貝群に共通または近縁である。本層分布地域からはかってMyophorellaが報告されたことがあり, ジユラ紀後期を暗示するとも考えられたが, 今回の発見により, 当地域における四万十川層群最下部(堂ガ奈路層)の時代は, 甲藤(1961)が推察した通り, 宮古世主部(AptianまたはAlbian)であろうと結論される。