著者
川神 傳弘
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

1940年代後半からスターリン治下のソヴィエト連邦共産主義体制内での恐怖政治の実態報告がフランスに伝わった。密告・強制収容所送り・暴力・拷問・虐殺などの全体主義体制の悲惨な実情が明るみに出て、それまでナチス・ドイツとは180度異なる理想の国家実現の夢をソ連に託していたフランス知織人を幻滅させ、共産主義支持の知織人から反-共産主義に転向する人々が続出した。しかしジャンーポール・サルトルは一貫してソ連擁護の姿勢を崩すことはなかった。理想の未来実現のために人命の犠牲はやむを得ないことを認めたのである。アルベール・カミュはあくまで人命尊重の立場をとり、サルトルと訣別した。彼ら両者がかく対蹠的な立場を表明した裏側に何が秘められているのかを詳細に分析した。