著者
工藤 元男
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

戦国楚の地域文化の一つとして発生した「日書」が、秦漢帝国を媒介にして、ある意味で普遍的な占卜文化として流通してゆく歴史的過程を明らかにした。またその過程で「日書」が前漢武帝期頃から弛緩・解体し始め、他の占書の中に組み込まれてゆく状況も明らかにした。このような「日書」の歴史的性格は、戦国晩期以降の郡県制の発達と連動するものであり、出張が多かった地方の郡県少吏にとって「日書」が必要不可欠な占いであったことを明らかにした。