著者
碓氷 泰市 村田 健臣 朴 龍洙 鈴木 隆 左 一八
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

インフルエンザウイルスの感染、接着に関わる特定の受容体シアロオリゴ糖鎖を高い効率且つ単純な手法で高密度に天然素材ポリペプチドである納豆菌由来γ-ポリグルタミン酸ベースに配して抗原性の変異を克服しかつトリ型およびヒト型インフルエンザウイルスに対応した強力な抗インフルエンザウイルス剤を構築した。また、感染阻害試験の結果から両型の受容体糖鎖特異性は末端シアル酸の結合様式において異なるだけでなく、そのコアとなる内部糖鎖構造も活性に大きく関与していることを実証した。
著者
山田 明宏 幡野 健 松岡 浩司 照沼 大陽 江角 保明 左 一八 鈴木 康夫 西川 喜代孝 名取 泰博
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
ポリマー材料フォーラム講演要旨集 第13回ポリマー材料フォーラム
巻号頁・発行日
pp.161, 2004 (Released:2010-03-29)

生体内の細胞表層上には、糖タンパク質や糖脂質などの複合糖質中の糖鎖が外側に向かってアンテナ状に存在している。生体内に侵入してきたウイルスや細菌は、これらの糖鎖をマーカーとし、感染することが知られている。近年、糖鎖のもつ生理活性を高効率で発現させる糖鎖クラスター効果が注目を集め、様々な支持体を用いた糖鎖クラスター化合物の構築が盛んに行われている。これまで我々は有機ケイ素化合物であるカルボシランデンドリマーを支持体として液晶など様々な機能性基の集積化および物性評価を行ってきた。カルボシランデンドリマーは世代の拡張や分岐数・鎖長の制御が容易であるなどの特徴がある。この為、カルボシランデンドリマーを用いて糖鎖を集積化した場合、標的とするウイルス・毒素の糖鎖結合部位に適した分子設計がナノオーダーで可能であり、新たな糖鎖製剤となることが期待できる。