著者
市島 龍 水上 真美子 枝松 秀雄
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.233-238, 2015

要旨: 高周波数領域での加齢による変化を検討するため, 8kHz 以上の聴取能測定と DPOAE 記録を20歳から41歳の純音聴力正常者14名 (男性12, 女性2) で検討し, 検査音にはモスキート音と呼ばれる主要周波数12.5kHz (A音), 16kHz (B音), 20kHz (C音) の3種類の高周波数音を使用した。A音は14名全員で聴取可能となり, B音は聴取可能7名と聴取不能7名に分かれ, C音は14名で聴取不能であった。B音の聴取可能群の平均年齢は聴取不能群より10.9歳有意に低かった。一方, DPOAE ではB音聴取可能群の7名中5名が5,042Hzから6,348Hzにかけて DP レベルが上昇するパターンを示し, 聴取不能群では全員が5,042Hzにピークを形成し6,348Hzでは低下するパターンを示した。<br> 聴取能測定による心理学的検査と DPOAE による他覚的検査の組み合わせにより, 高周波数領域での加齢変化を簡便に早期から検出できると考えられた。
著者
市島 龍 水上 真美子 枝松 秀雄
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.233-238, 2015-08-30 (Released:2016-02-04)
参考文献数
20

要旨: 高周波数領域での加齢による変化を検討するため, 8kHz 以上の聴取能測定と DPOAE 記録を20歳から41歳の純音聴力正常者14名 (男性12, 女性2) で検討し, 検査音にはモスキート音と呼ばれる主要周波数12.5kHz (A音), 16kHz (B音), 20kHz (C音) の3種類の高周波数音を使用した。A音は14名全員で聴取可能となり, B音は聴取可能7名と聴取不能7名に分かれ, C音は14名で聴取不能であった。B音の聴取可能群の平均年齢は聴取不能群より10.9歳有意に低かった。一方, DPOAE ではB音聴取可能群の7名中5名が5,042Hzから6,348Hzにかけて DP レベルが上昇するパターンを示し, 聴取不能群では全員が5,042Hzにピークを形成し6,348Hzでは低下するパターンを示した。 聴取能測定による心理学的検査と DPOAE による他覚的検査の組み合わせにより, 高周波数領域での加齢変化を簡便に早期から検出できると考えられた。