著者
酒本 隆太 ホ エルデン 市川 佳彦
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本研究ではビットコインにとってのヘッジとSafe Haven資産を分析する。ビットコインはその高い変動性から近年大きな注目は集めている。ファイナンス研究としてはその代替資産としての性質に注目が集まっており、株や債券のリスクを分散するためにビットコインを利用するという前提でのアプローチが取られている。一方、本研究ではビットコイン投資家の立場を取り、どのようにビットコインのリスクをコントロールすればよいかという点に焦点を当てる。我々は厳密なヘッジ、Safe Havenの定義を用いて、さらに弱いヘッジとSafe Havenと強いヘッジとSafe Havenも区別する。本研究の分析では国際株式や国際債券といった伝統的な資産はビットコインにとって、弱いヘッジ資産となることがわかった。さらにビットコイン相場の下落時には金が強いヘッジ資産となることがわかったが、その数字的なインパクトは限定的なものとなった。我々の長期、あるいはビットコインの下落時に強いSafe Havenとなる資産は存在しなかった。これはビットコイン投資家にとっての下落相場でリスクマネジメントすることの難しさを示唆する。
著者
市川 佳彦 酒本 隆太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.2L5GS1303, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究ではビットコインのDifficultyと価格の関係を分析する。ビットコインはProof of Work(POW)というコンセンサスアルゴリズムを採用して、ネットワーク全体の信用が担保される仕組みとなっている。そしてその仕組みを維持するためマイニングを行うマイナーに報酬を設定している。この報酬はマイニングの難易度を示すDifficultyに依存し、マイナーが増えたり、マイニングの技術革新が起きるとDifficultyは上昇する。中長期的にはビットコインの価格とDifficultyは正の相関関係があるといわれているが、短期的な関係についての分析は行われていない。この関係を明らかにするために、本研究では2010年~2019年のデータを用いてビットコインの価格、Difficulty、ビットコインの取引高、他の金融資産の価格の相互依存関係をモデル化し、統計的な分析を行った。分析の結果、ビットコインのDifficultyの変化はビットコイン価格に大きな影響を与えることが分かった。一方、他の金融資産の価格がビットコイン価格に与える影響は見られなかった。
著者
酒本 隆太 ホ エルデン 市川 佳彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.2O3J1303, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究ではビットコインにとってのヘッジとSafe Haven資産を分析する。ビットコインはその高い変動性から近年大きな注目は集めている。ファイナンス研究としてはその代替資産としての性質に注目が集まっており、株や債券のリスクを分散するためにビットコインを利用するという前提でのアプローチが取られている。一方、本研究ではビットコイン投資家の立場を取り、どのようにビットコインのリスクをコントロールすればよいかという点に焦点を当てる。我々は厳密なヘッジ、Safe Havenの定義を用いて、さらに弱いヘッジとSafe Havenと強いヘッジとSafe Havenも区別する。本研究の分析では国際株式や国際債券といった伝統的な資産はビットコインにとって、弱いヘッジ資産となることがわかった。さらにビットコイン相場の下落時には金が強いヘッジ資産となることがわかったが、その数字的なインパクトは限定的なものとなった。我々の長期、あるいはビットコインの下落時に強いSafe Havenとなる資産は存在しなかった。これはビットコイン投資家にとっての下落相場でリスクマネジメントすることの難しさを示唆する。