著者
市川 幸宏 伊沢 亮一 白石 善明 森井 昌克
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.2524-2534, 2006-08-15

コンピュータウイルスによる被害を軽減させるためには,ネットワーク上において早期に検知し,いち早く廃棄する必要がある.コンピュータウイルスを検知するためには,まずそのコンピュータウイルスを解析する必要がある.通常,その解析はアンチウイルスベンダに所属する技術者によって,基本的にそのウイルスコードを1 行1 行解析する手法がとられている.亜種も含めて,大量にコンピュータウイルスが発生する現在,その解析能力は飽和状態にあり,ウイルス解析者を支援するシステムの開発が希求されている.本論文では,既知のコンピュータウイルスだけでなく,未知のコンピュータウイルスを解析することを目的として,ウイルス解析者を支援するシステムを提案している.提案システムは,ウイルスコードを直接解析するのではなく,実行時に動作するメモリ上に展開されたコードを解析し,難読化が施されたコードであっても解析が可能となっている.