著者
市川 美智子 岩田 吉生
出版者
愛知教育大学障害児教育講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-10, 2004-03

側音化楫音障害を呈する男児に対して,構音指導,発音指導,動機付け,機能訓練及び耳の訓練を関連させた指導計画のもと,側音化傾向にある/ʃi/, /tʃi/, /dʒi /音を取り出して指導を行った。第1期では,動機付け,口唇・唇の運動訓練,耳の訓練,母音口形指導,/ʃi/音の発音指導を行った。第2期では,口唇・舌の運動訓練,発音指導を中心に行った。発音指導は,単音の指導から始め,複数音節,単語,文章へと徐々に進めていった。また,音の定着を図るため,単音表出の回数や速さを変化させた。第3期では,音の定着の強化を図った。構音検査では,第1期には50単語中14単語・15音節であった誤りが,第3期末において50単語中5単語・6音節にまで減少し,側音化構音は徐々に改善していった。側音化構音障害は,治療が非常に困難とされているが,本児の改善していった経過を分析する中で,今後の指導指針,指導の在り方を検討した。