- 著者
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市野 千恵
- 出版者
- 日本神経心理学会
- 雑誌
- 神経心理学 (ISSN:09111085)
- 巻号頁・発行日
- vol.36, no.3, pp.127-137, 2020-09-25 (Released:2020-10-09)
- 参考文献数
- 4
全ての事業主には,一定の割合(法定雇用率)以上の障害者を雇用することが義務づけられている.2020年現在,民間企業の法定雇用率は2.2%であり,2021年4月までには2.3%に引き上げられる.今後も労働市場では「働ける・働き続けられる障害者」の需要がますます高まるであろう.本稿では,障害者雇用とその支援機関,制度の概要を述べた後,左被殻出血発症後に高次脳機能障害を遺残した一事例について取り上げる.本事例は,回復期リハ病院,障がい者就業支援センター,就労移行支援事業所での障害福祉サービスと支援を経て,4年後に新規就労までに至った.この4年間の経過を,医療・就業支援・障害福祉における支援や多機関連携の視点を踏まえて報告する.