著者
奥野 智孝 市野 将嗣 久保山 哲二 吉浦 裕
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-8, 2011-11-28

近年,多様な個人情報がネットワーク上に流通している.同一人物に関する複数の情報を入手することで,単独の情報からでは分からなかった情報が明らかになり,予期せぬプライバシー侵害につながる懸念がある.本研究ではこの危険性を明らかにするために,問題の代表例としてバックグラウンドチェックと呼ばれる雇用前の身辺調査を例に挙げ,ソーシャルメディアのプロフィールが匿名化されていても,履歴書の情報を基にソーシャルメディアのコンテンツの特徴を分析することで,採用希望者のアカウントを特定できることを示した.これにより,履歴書の情報とソーシャルメディアで開示された情報を統合し,個人の言動を調査することができる.Various types of personal information about individuals are accessible through the Web medias. Linking of the personal information obtained through multiple medias can lead to a serious violation of privacy. To address this problem, we developed a method to identify the author of the short messages of Twitter, known as tweets, by using the information from other medias.
著者
大岡 拓斗 松本 瞬 市野 将嗣 緑川 耀一 吉井 英樹 吉浦 裕
雑誌
研究報告セキュリティ心理学とトラスト(SPT) (ISSN:21888671)
巻号頁・発行日
vol.2019-SPT-34, no.7, pp.1-8, 2019-07-16

移動履歴のプライバシーリスクを評価するために,移動履歴と SNS アカウントの照合方式を提案,評価した.先行研究には,移動履歴と SNS から交友関係が観測可能であること,移動履歴と SNS の対象者群が同一であることという制約があった.提案手法は,個々の移動履歴と SNS アカウントを機械学習でモデル化して類似度を判定することで,これらの制約を解消した.53 人の被験者の移動履歴と SNS アカウントを用いた評価により,被験者の SNS アカウントを 10 万の不特定多数のアカウントに混ぜ込んでも,1 週間の移動履歴 53件のうち 9 件について本人の SNS アカウントを 100 アカウント以内に絞り込めることを明らかにした.