著者
松井雪治 澤野弘明 水野慎士
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.2145-2150, 2013-07-03

本稿では,画像処理を用いて麻雀の自動得点計算を行うシステムを提案する.麻雀は将棋やリバーシといったテーブルゲームに比べ,ルールが複雑である.その中でもあがり時の得点計算は,符点と役の種類及び飜数(ハンスウ)によって得点が計算されるがこれらの組み合わせが複雑なため,初心者がプレイするには難解である.そこで本研究では,麻雀の得点計算を支援するため,スマートフォンを用いた麻雀の自動得点計算システムを提案する.提案システムでは,初心者がスマートフォンを用いて麻雀のあがり時の手牌を撮影することで,自動で手牌を認識し,得点計算を自動に行うものである.
著者
村山優子 向井未来 西岡大 齊藤義仰
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.873-879, 2013-07-03

2011年3月11日の東日本大震災では、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)による情報交換が活発に行われた。特にTwitterは,行政やマスメディア等の企業が迅速な情報発信のツールとして,ユーザからはリアルタイムな情報収集源として重宝された.しかし,根拠のない噂や悪意のある冗談などのデマ情報のツイートが広く拡散される問題も発生し,ユーザに無用な不安や混乱を招いた.本研究では,ユーザがデマ情報の拡散を防ぐため,リツイートに関する意思決定プロセスのモデル構築を行った.モデルでは,ユーザが興味を持つことがリツイートに非常に大きく関わっていることが示唆された.
著者
平井章康 吉田幸二 宮地功
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1441-1446, 2013-07-03

近年,登場してきた簡易脳波計は携帯可能な大きさであり,装着が簡単で,装着者の行動を制限しない.このため,日常的な使用が可能で,比較的安価で入手し易い利点がある.そこでこの簡易脳波計を用いて脳波情報を取り入れた遠隔教育における指導支援にフィードバックできるシステムの構築を検討している.本論文では簡易脳波計の特性や脳波状況について論じ,脳波計測において学生の学習行為中の思考や記憶に関して脳波データの相関関係を実験により比較分析した.その結果,β/α値はストレスや思考する集中度合いを測る指標として,Low_γは記憶作業に反応を示す事が判明し,記憶の度合いを測る指標として有効であると結果が出た.
著者
松井一乃 金髙一 池部実 吉田和幸
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.772-778, 2013-07-03 (Released:2013-12-24)

現在広く利用されているspam対策技術のひとつにgreylistingがある.greylistingは「spam発信MTAは再送をしない」との仮説に基づき送信者に対して一時エラーのレスポンスコードを返し,再送をうながす対策手法である.greylistingはspam排除の効果は高いが,適用する全てのメールに再送要求をするため,通常メールにも大きな遅延が生じる.そこで大分大学ではmilter managerを導入し,S25R,SPFの判定結果によってメールをgreylistingに適用するかを決定している.SPF,S25Rを用いて通常メールとspamを判断することで, SPF,S25Rによる検査のみで受信できるメールが増え,greylistingによる再送遅延を軽減できる.また,SPF,S25Rによって誤検知された通常メールはgreylistingによって救済することが可能となる.milter manager導入後,通常メールのうち約70%はSPF及びS25Rが処理しているため,greylistingを適用せずに受信できるようになった.また,受信した通常メールに対するgreylistingの再送要求割合を比較すると,milter manager導入前と導入後では43.1%から12.4%まで減少していた.このことから,milter managerを導入することで配送遅延がかかる通常メールが減少したといえる.
著者
竹渕瑛一 山田泰宏 猪狩知也 鈴木浩 服部哲 速水治夫
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.84-88, 2013-07-03

イラスト投稿型SNS の一つであるPixiv では,多くの二次創作イラストが投稿されている.Pixivでは,ユーザがイラストに対し自由にタグ付けできる.また,二次創作イラストが多いため,タグの特徴として作品タイトルを表すジャンルタグと,そのキャラクターを表すキャラクタータグがよく付けられる.一方で,Pixiv ではこの2 種類のタグについて区別を行なっていない.本研究では,与えられたイラストのタグ群からキャラクタータグを検出する手法(キャラクタータグ分類法)について検討を行った.提案手法は与えられたタグ群のジャンルタグに対して,よく付けられやすいタグをキャラクタータグとする.実験では提案手法の適合率と再現率,F 尺度について求め,評価を行った.
著者
岡本幸大 鷲見海王 槙田喬介 中野倫明 渡邊晃 山田宗男
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1483-1486, 2013-07-03

近年,スマートフォンの急速な普及に伴い,スマートフォンを操作しながらの歩行や自転車・自動車の運転などが急増している.この「ながら状態」は,スマートフォンの操作および画面の注視によって周囲環境の認識および注意を著しく低下させるため,鉄道ホームからの転落や人・物との衝突など,重大な事故を引き起こす原因となっており,社会な問題になりつつある.本検討では,スマートフォンに搭載されているインカメラから取得した顔画像や加速度センサによって,スマートフォンの操作状態および歩行状態を検出することで,ながら状態をリアルタイムに検出可能な手法について提案・検討する.
著者
若井一樹 岡田泰輔 鎌田祐輔 佐々木良一
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.865-872, 2013-07-03

インターネットの普及に伴いWebサービスはその数を増やし,現在では様々な種類のサービスが人々に利用されている.世界中の人々とコミュニケーションが可能となった現代において,ソーシャルメディアは発達し注目されるようになった.例としてTwitterやFacebookなどがあり,現在でも利用者は急激に増えている.一方でソーシャルメディアを利用した迷惑行為も増えている.その一つとしてスパム行為が挙げられる.スパム行為とは本人の許諾を得ず,一方的に営利目的の情報を送る行為である.スパム行為によってソーシャルメディア利用者は必要としない情報が大量に送られ,本来知りたい情報が埋もれてしまう.そこで,著者らはスパム行為に悩まされることなくソーシャルメディアを活用し,世界中の人々とコミュニケーションを楽しむことを可能とするため,スパム行為を検知する手法およびその機能を持ち合わせたアプリケーションの開発を考案した.本稿では,スパム行為を検知する手法の提案と評価結果を報告するとともに,これらのスパム検知機能に表示系を発展させることによりスパム発見を容易とするように実装したアプリケーションの開発について述べる.
著者
赤石健一 中村嘉隆 高橋修
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1780-1787, 2013-07-03

IEEE802.11eEDCAでは,4つの優先度でパケットを区別し,アクセスカテゴリに分け,パケットを優先的に送信することによりQoS制御を実現する.しかし,高優先度内でトラフィックが増大すると通信品質が劣化するという問題がある.これは,トラフィックが増大することによりネットワークが輻輳し,パケットロスが発生しやすくなるためである.本研究では,トラフィックの負荷が高い場合においてQoS保証を実現する方式について検討する.トラフィックが増大し,負荷が高くなった時にアクセスカテゴリの送信キューの使用率に応じた資源の割り当てによってキューの大きさを動的に変更することによって実現する.シミュレーション評価により提案するQoS制御方式の有効性を示す.
著者
村田大輔 東結香 大平健司 猪俣敦夫 藤川和利
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.761-765, 2013-07-03

今日においてインターネットは重要な社会基盤となっており,インターネットを構成しているコンピュータなどの機器が悪意ある攻撃を受けてしまうと,その被害は甚大なものとなってしまう。その影響は金銭トラブルのみならず,社会生命への影響など大きなトラブルへと発展する可能性もある。現在のインターネットは,様々なデバイス,アプリケーション,サービスが相互にネットワークを介して利用されている。便利になった反面,IPv4アドレスの枯渇が問題となり,本格的なIPv4/v6共存時代へと動いている。IPv4は登場とともに長い運用期間を経て技術・経験が確立されてきたが,IPv6ではその知見がほとんど無い。そのため,本稿では,IPv6の本格的な利用を前に,IPv6環境での脅威の発見と対策を行うことを目的に,実験環境を構築し,トラフィックを収集・解析することとした。
著者
瀬崎薫
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.238-239, 2013-07-03

スマートフォンの急速な普及に伴い,携帯電話等に内蔵のセンサや携帯電話に付加したセンサを用いて,人々が携帯デバイスを持ち歩きながら所要のセンシングデータを収集する「ユーザ参加型センシング」が注目されている.本稿では,ユーザ参加型センシングの実現に向けて解決すべき諸課題について整理すると共に,我々の研究グループによるユーザ参加型センシングの実例を紹介する.
著者
津田一磨 鈴木秀和 旭健作 渡邊晃
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.805-811, 2013-07-03

Bluetooth に代表される近距離無線技術の発達により,ホームオートメーションの普及が期待されている.今後,宅内にある近距離無線通信機器を外出先から操作したいという要求が高まると考えられる.しかし,このような機器には通信可能範囲に制限があり,外出先から直接操作することができない.我々は,Bluetooth 機器のハードウェアとソフトウェアの間で交換されるコマンド等をインターネット経由で転送することにより,遠隔地の Bluetooth 機器へ接続する手法を提案している.提案手法により,ユーザは Bluetooth 機器の位置を意識することなく,一般のBluetooth アプリケーションを用いて近傍および遠隔地にある Bluetooth 機器とシームレスに接続することができる.本稿では,提案手法の検証を行うため,Linuxカーネルへのモジュール実装を行った.これにより,Bluetoothのコマンド等をインターネット経由で転送できることを確認した.
著者
中村笙子 廣森聡仁 山口弘純 東野輝夫 山口容平 下田吉之
雑誌
マルチメディア、分散協調とモバイルシンポジウム2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.1995-2007, 2013-07-03

各世帯における節電やピークシフトの達成のため,電力の売買や蓄積,生成が可能なスマートホームが導入されつつあり,電力消費を伴う家庭行動を効率化することで,電力コストの削減が期待できる.しかし,居住者の都合を無視し,電力コストを削減するためだけにピークシフトを強いると居住者の生活の質を下げかねない.そのため,電力コストの削減と生活の質の維持を両立できるような節電方法を居住者に提示し,無理のない節電を実現できることが望ましい.本研究では,スマートホーム一世帯を対象とし,そこに居住する人や配置された家電の電力消費モデルを提案する.さらに,このモデルを利用し,人の行動と家電の稼働に対し,電力コストと生活満足度を最適化するような行動スケジューリング手法を提案する.加えて,ユーザの嗜好をより詳細に反映するためのフィードバックシステムと,ユーザが行った操作から,スケジュールに対する要望を汲み取るためのユーザインタフェースも提案する.評価実験では,電力コストを抑え,かつ生活満足度の高いスケジュールを導出した.また,フィードバック操作により,ユーザの意図を反映したスケジュールが導出されることを確認した.