著者
小川 孝宏 平野 裕三 辻 俊明 常松 豪 阪口 理
出版者
公益社団法人 地盤工学会
雑誌
地盤工学研究発表会 発表講演集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.249-250, 2004

建築構造物の基礎設計においては、機械的に支持層を確認した調査結果に基づいた方法を採るのが一般的で、本来、地盤が有している強さを正しく把握しないまま設計が行われ、不経済な基礎工法が選定されていることが多い。本論は、9~14階建の集合住宅建設予定地において通常のボーリング調査に加えて、調査の初期段階で地表近くに分布する大阪層群Ma3層のブッロクサンプリング試料の室内力学試験と平板載荷試験を行い、Ma3層がもつ本来の強さを把握したことで、長尺の杭基礎が多用されてきた地盤条件の地域において直接基礎の採用を可能にし、工期の短縮と建設コストを削減することができた事例をまとめたものである。