著者
常見 耕平
出版者
多摩大学
雑誌
経営・情報研究 : 多摩大学研究紀要 (ISSN:13429507)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.81-92, 2006

本稿は、不動貯金銀行「内規」の研究である。不動銀行の経営理念である「大黒天信仰とニコニコ主義」どのように内規に表現されているかを見た。そこで、他の貯蓄銀行の内規と比較を行った。また、新経済体制下で行われた内規の改定について検討を加えた。
著者
常見 耕平
出版者
多摩大学
雑誌
経営・情報研究 : 多摩大学研究紀要 (ISSN:13429507)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.25-49, 2002

本稿の目的は、不動貯金銀行頭取牧野元次郎の人事管理政策を明らかにすることである。1900 年に創業した不動貯金銀行は、1915 年には預金高で第一位になるまでに成長した。この成功は、主力商品である「三年貯金」と,「門並勧誘」という事業システムによるものであった。とりわけ、貯金の勧誘と月掛貯金の集金を行う外勤員の力によるところが大きい。その要となるのは外勤員に対する顧客の信頼形成である。本稿では、銀行の建物から離れて働く外勤員の意志と意欲を引き出し、それを組織に対する求心力に変えた牧野の人事管理政策を、採用、教育、待遇から検討した。また、牧野の経営の基盤となった経営理念「大黒天信仰」と「ニコニコ主義」についても検討を加えた。
著者
常見 耕平
出版者
多摩大学
雑誌
経営・情報研究 : 多摩大学研究紀要 (ISSN:13429507)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.27-44, 1997

本稿は、戦後独自の発展を遂げた小型三輪自動車産業の1945年から1957年までの13年間の競争についての研究である。市場に製品を送り込む力、すなわち「製品供給力」の差が、市場での競争優位を生み出したという視点から、この競争を検討した。まず、競争のキーファクターとしての「製品供給力」について考察し、次いで三輪自動車産業での競争と市場の変化をみた。その上で、ダイハツと東洋工業の2社間での競争を中心に、先行する2社が、いかにして製品供給力での競争上の優位を獲得したかを、生産能力の拡充と全国での販売網の形成を軸に検討した。さらに、追走する各社の努力とその限界を通して、この基礎能力の獲得と維持がどれほど困難であるか、また、競争優位にある企業を追撃するために必要な条件についても検討した。