- 著者
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常見 耕平
- 出版者
- 多摩大学
- 雑誌
- 経営・情報研究 : 多摩大学研究紀要 (ISSN:13429507)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.25-49, 2002
本稿の目的は、不動貯金銀行頭取牧野元次郎の人事管理政策を明らかにすることである。1900 年に創業した不動貯金銀行は、1915 年には預金高で第一位になるまでに成長した。この成功は、主力商品である「三年貯金」と,「門並勧誘」という事業システムによるものであった。とりわけ、貯金の勧誘と月掛貯金の集金を行う外勤員の力によるところが大きい。その要となるのは外勤員に対する顧客の信頼形成である。本稿では、銀行の建物から離れて働く外勤員の意志と意欲を引き出し、それを組織に対する求心力に変えた牧野の人事管理政策を、採用、教育、待遇から検討した。また、牧野の経営の基盤となった経営理念「大黒天信仰」と「ニコニコ主義」についても検討を加えた。