著者
平井 紗夜子 氏原 岳人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.623-630, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
6

本研究では,Jリーグの試合観戦者を対象としたMM施策を展開し,経年的な効果を検証した.分析の結果,1)2019年のプロジェクト認知度は79%,1試合あたりの自家用車からの転換率は11%であった.いずれも初年度を上回る数値であった.また,「ファジウォーカー」というキーワードの認知率も極めて高く,ブランディングが功を奏した.2)本プロジェクトでは数多くの施策を展開したが,行動プラン法によるワンショットTFPが転換に最も効果的であった.3)ファジアーノバスの内装リニューアルや試合時刻に合わせた運行,国道情報板の標語掲示,JRの駅構内・車内広告といった交通機関と連携した施策が,プロジェクト認知のきっかけとなっていた.4)公共交通機関の利用者は,沿道商店への立ち寄り頻度が相対的に高い.したがって,公共交通の利用促進が地元消費の増加に有効である.