著者
会沢 信彦 平宮 正志
出版者
文教大学
雑誌
文教大学教育学部紀要 (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.11-18, 2008-12-20

いじめの実態を具体的かつ詳細に把握することを目的に,大学生を対象として,「小学校4 〜 6 年時に体験した,いじめではないかと最も強く感じた出来事」を尋ねる自由記述式の質問紙調査を行った.そして,記述された内容を,KJ 法を参考として分類・分析を行った.その結果,いじめ経験に関する記述のあった者が187 名(69.8%),「なし」と記述した者が81 名(30.2 %)であった.体験記述のあった187 名のうち,A.加害者が児童生徒と考えられた記述が178 名(95.2 %),B.教師・学校・保護者と考えられた記述が5 名(2.7 %),C.その他が4 名(2.1%)であった.A については「拒否的行動によるいじめ」「言葉によるいじめ」「強圧的行動によるいじめ」に,B は「教師によるいじめ」「学校への不満」「保護者への不満」にそれぞれ大分類された.最後に,小学校1 〜 3 年時に比較していじめ経験ありとした者が増加した点について考察が加えられた.