著者
平島 知圭 和泉 雅章 三角 文子 川越 英子 末光 浩太郎 成山 真一 福本 裕美 許林 友璃 中西 健
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.105-110, 2006-02-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
13
被引用文献数
2

メシル酸ナファモスタットは, 出血性病変を有する症例の血液透析施行時の抗凝固薬として広く用いられている. われわれは維持透析患者12名において, 同薬の先発品と後発品使用時における血液透析回路内の析出物の量, および抗凝固薬としての作用をそれぞれクロスオーバー法により比較検討した. 抗凝固薬としての作用は両者で差がみられなかったが, 回路内析出物の量に関しては, 後発品使用時の方が有意に大量であった. 析出物の量に違いが生じた原因としては, 先発品と後発品の添加物の違い, 不純物混入量の違いなどが考えられた. 後発医薬品導入の際には, それが先発品と完全に同じ薬剤とはいえない場合がありうることを考慮して, 作用の強さや副作用に関して慎重に検討する必要がある.