著者
楢崎 幸範 平川 博仙 大津 隆一 深町 和美
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.59-68_1, 1989-02-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
23

メラミン樹脂製食器の安全性を確認する目的で, 種々の条件で溶出試験を行い, 樹脂の変化, 溶出物及びその変異原性について検討した. 一連の実験から, 通常の使用状態では, 樹脂が分解して多量のホルムアデヒドが基準を越えて溶出することはなく, 微量に存在する未反応のホルムアルデヒドがわずかに溶出する程度であった. また, カドミウム, 鉛の溶出は認められず, メラミンが微量検出された. 一方, ホルムアルデヒドはサルモネラTA104株に対し弱い変異原性 (28rev/μg) を示したが, 溶出物による変異原性は認められなかった.