著者
平林 あゆ子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

障がいを理解するための絵本を制作し、子ども達が共に育ちあうインクルーシブ保育・教育に効果的に役立てるために効果測定をした。教育・保育の場における読みきかせにより、障がいの気づきと相互理解のヒント、特に保護者の障がいに対する理解が進み、親同士の歩み寄りができたという実態が明らかになった。これら絵本の市販の要望があり、絵本3冊と「かいせつと利用の手引」を2011年2月に風間書房より出版し応えた。また、幼児教育・保育に関わる学生や幼児用の「障がいを理解するための教育プログラム」を作成しインクルーシブ教育に役立たせた。
著者
平林 あゆ子
出版者
名古屋女子大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

1.障がいを理解するための絵本(以後「絵本」)を幼児教育・保育を志望する学生、現役の保育者、障がい児の保護者らと共に制作した。それらの「絵本」は、(1)「たいせつなあなたへ(14頁)2007」:ダウン症をもつ保護者の気持ちの理解、(2)「かみさまのおくりもの(18頁)2007」:ダウン症児の理解(3)「じゅんじゅん(24頁)2007、改訂版(20頁)2008.自閉症の理解とその支援」、(4)「たっくん(20頁)2008:自閉症の理解と友情」、(5)「ともだち(24頁)2008:自閉症の理解」、(6)「こえのおんど(24頁)2008:学生の障がい理解の過程」である。2.上記の(1)から(5)の「絵本」をインクルーシブ保育・教育に効果的に役立てるために、9ヵ所の保育園の年中・年長クラスで読みきかせの後、園児による描画とインタヴュー(録画)、保育士へのインタヴューと質問紙により効果測定を試みた。いずれも自分とは異なっている子どもに関心をもたせる事に役立つ事が期待できる結果であった。「絵本」の読みきかせの効果的な方法も園児や保育士の反応を検討し、読みきかせの実践に役立つようにまとめた。3.「絵本」の制作をとおして、幼児教育・保育課程における障がいと障がい児理解を援助する教育プログラムを試作した。違いを認識し障がいを理解していくには段階がある。障がいの理解とは、障がいを適切に受けとめていけるようにすることはもちろん、まず自分と他の人々との「違い」というものを理解することが必要である。この違いの理解が人間理解の深化につながるものと思われる。