著者
平沼 光
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.267-276, 2018

<p>シェールガス革命や歴史的な原油価格の下落、また気候変動問題への対処による再生可能エネルギーの急激な普及など、エネルギーを巡るかつてない様々な出来事を背景に世界は今、エネルギーの需給構造が大きく変化する「エネルギー転換」の真っただ中にある。かつて、18 世紀の産業革命では、石炭をエネルギー源とする蒸気機関の発明により社会の生産性を飛躍的に向上させている。その後、20世紀中頃には石炭よりも利便性の高い石油の登場が石炭に代わるエネルギー転換を起こし、世界の産業、経済、そしてライフスタイルにまで大きな影響を及ぼしている。本稿では、現在再び起こっている新たなエネルギー転換の動きについて、その具体像を明らかにするとともに、エネルギー転換が日本に及ぼすリスクについて分析する。</p>