著者
清野 弘明 平泉美 希子
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.93, no.8, pp.1519-1524, 2004-08-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6
被引用文献数
1

糖尿病に伴う意識障害の鑑別の1つとして,乳酸アシドーシスも念頭に置く必要がある.意識障害を来たした糖尿病患者で乳酸アシドーシスを疑う所見としては,血液ガス分析にてpH7.35以下のアシドーシスを認めること,尿ケトン体が陰性, Anion gap=(Na-CL-HCO3)が25mEq/1以上ある場合,乳酸値,ピルビン酸値を測定する必要がある.特に,メトホルミン使用患者での全身倦怠感や意識障害では,乳酸アシド-シスも考慮することが大切である.