著者
平等 正基 熊倉 啓之
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.393-396, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
7

[要約]本研究は,小6の「比」の単元に焦点を当て,割合の理解を深めることをねらいとする教材を開発して授業実践を行い,そこでの児童の反応等から,体系的な割合指導における示唆を得ることを目的とする.まず,比の活用場面において百分率で割合が示された第3用法の問題を開発し,次に小6を対象に授業実践を行った.児童の反応として,数直線図以外の図表現を用いることや割合の第3用法の公式を活用できないこと,比による解決が有効だと感じた児童が多いこと,多様な解決方法を用いることが観察された.以上の結果を踏まえて,割合の理解を深めるための体系的な指導への示唆として,(a)数直線図以外の図も扱う,(b)第3用法の公式の指導に注力しない,(c) 割合を小6でも体系的に指導する,の3つを得た.