著者
平野 寿将 竹内 貴聖
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.16-28, 2020 (Released:2020-03-05)
参考文献数
14

本稿の目的は多くの国で採用されているリニエンシー制度がどの程度カルテルを防ぐ効果があるかを解明することである.そのために同質財ベルトラン競争でカルテルを分析したHinloopen and Soetevent (2005)に倣い,カルテルを行ったことを報告すると課徴金が減免される場合と褒賞金を与える場合とを比較した経済実験をz-Treeを用いて行った.その結果,平均入札価格,カルテルの形成率,再形成率という3つの指標を比較すると,褒賞金を与えるほうがよりカルテルを抑止できるということが判明した.