著者
阿部 孝司 年代 光宏 林 貴宏 木村 春彦
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 = Imaging & Visual Computing The Journal of the Institute of Image Electronics Engineers of Japan (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.701-709, 2007-09-25
参考文献数
21
被引用文献数
1

スポーツ中継で表示されるスコアテロップの内容解析は,放送型スポーツ 中継映像の内容解析に有効であると示唆されるが,近年のスコアテロップは,文字やマーク,その背景まで様々な色や輝度が混在し,輝度値だけに 着目して領域内に存在する多種のオブジェクトを背景と区別することは難しい.また,スコアテロップ内の各オブジェクトの表示内容を認識するには,時間経過に伴うオブジェクトの状態変化を調べる必要がある.本稿では,放送型野球中継映像のスコアテロップ領域を対象に,白黒濃淡画像の輝度値に加えRGB濃度値のヒストグラムを用いて領域内に 存在するオブジェクトの外接矩形を抽出し,試合の内容解析に 必要なキーとなる,アウトカウント,得点,ランナーの有無を示す 領域を次フレームでの同一領域との相関を求めて特定する方法を提案する.四つの野球中継映像に対し実験を行った結果,アウトカウントがマーク 表示されている映像を除き,上記の抽出項目はすべて精度良く抽出された.