著者
平井 克之 林 貴宏
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.298-302, 2018-06-01 (Released:2018-06-01)

URAのプレアワード業務として,学内の研究者に対する研究資金公募情報のメール配信は,広く実践されている。一方で,研究者自身の研究分野と関係のある公募情報だけを知りたいという声も多い。そこで,公募のテーマに合致する研究者を抽出する推薦システムGaletteを開発した。研究者データとして,KAKENデータベースから取得した研究課題を使用し,自然言語処理により特徴ベクトルを作成した。検索クエリとしての公募文書も同様に特徴ベクトルを作成し,コサイン類似度でランク付けして結果を出力するシステムを実装した。全国の有志のURAの協力により推薦結果を評価したところ,良好な結果を得た。URAにとって,より有用なシステムの開発を目指している。
著者
阿部 孝司 年代 光宏 林 貴宏 木村 春彦
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 = Imaging & Visual Computing The Journal of the Institute of Image Electronics Engineers of Japan (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.701-709, 2007-09-25
参考文献数
21
被引用文献数
1

スポーツ中継で表示されるスコアテロップの内容解析は,放送型スポーツ 中継映像の内容解析に有効であると示唆されるが,近年のスコアテロップは,文字やマーク,その背景まで様々な色や輝度が混在し,輝度値だけに 着目して領域内に存在する多種のオブジェクトを背景と区別することは難しい.また,スコアテロップ内の各オブジェクトの表示内容を認識するには,時間経過に伴うオブジェクトの状態変化を調べる必要がある.本稿では,放送型野球中継映像のスコアテロップ領域を対象に,白黒濃淡画像の輝度値に加えRGB濃度値のヒストグラムを用いて領域内に 存在するオブジェクトの外接矩形を抽出し,試合の内容解析に 必要なキーとなる,アウトカウント,得点,ランナーの有無を示す 領域を次フレームでの同一領域との相関を求めて特定する方法を提案する.四つの野球中継映像に対し実験を行った結果,アウトカウントがマーク 表示されている映像を除き,上記の抽出項目はすべて精度良く抽出された.
著者
池谷 友秀 林 貴宏 尾内 理紀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.130, pp.79-84, 2007-07-02
被引用文献数
2

字幕付きのドラマや映画などを鑑賞する際,字幕が話者の顔から離れて表示されているため,字幕を読みながら話者の演技を集中して見ることが困難である.そこで本研究では吹き出しを話者の近辺に作成し,その内部に字幕を表示するシステムを開発した.話者を識別するために,顔検出の結果から唇領域の位置を推定し,唇の開閉状態を認識する.字幕は他の登場人物の顔領域に重ならないような適切な位置に表示する.15人の被験者に1分程度の会話シーンを本字幕表示方式と従来方式(字幕が常に画面中央下部に表示される方式)で視聴してもらい,本字幕表示方式の見易さをアンケートにより評価した.評価実験の結果,字幕が適切な位置に表示された場合には本字幕表示方式の方が見やすいということが確認できた.
著者
柴田 一帆 林 貴宏 尾内 理紀夫 竹中 孝真 森 正弥
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.242, pp.109-114, 2007-09-27
被引用文献数
1

これまで,動画中の物体追跡研究は追跡精度の向上を目的としていた.しかし,追跡ミスを完全に無くすことは難しく,追跡ミスが発生した場合に物体領域の再指定などユーザによる修正作業が必要になると考えられる.本論文では,追跡ミスが発生することを前提として,ユーザによる修正作業の容易な物体追跡手法を提案する.提案手法では,グラフカットに基づく物体領域抽出手法を動画中の物体追跡へと応用する.グラフカットに基づく物体領域抽出は,物体領域内と背景領域内にユーザが描いた2種類の線から物体領域を抽出するという特徴を持つ.提案する物体追跡手法では,まずこの特徴を利用し,動画中の最初のフレーム画像においてユーザが描いた2種類の線から物体領域を抽出する.そして2番目以降の各フレーム画像では,ユーザが与えた線を追跡することで,物体領域を自動抽出する.線の追跡に基づく物体追跡を行うため,追跡ミスが発生した場合でも,新たな線の追加や既存の線の削除を行うだけで,容易に追跡ミスが修正可能となる.実験により提案手法と従来の物体追跡法との追跡性能を比較し,提案手法の有効性を議論した.
著者
森本 和伸 林 貴宏 尾内 理紀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1171-1180, 2006-04-15
被引用文献数
3

本稿では,ユーザが書いたblog 記事をもとに,ユーザの新たな興味につながる可能性のある他人のblog 記事を推薦するシステムMineBlog について述べる.MineBlog では,あらかじめウェブクローラを利用してblog 記事をウェブから収集しデータベース化しておく.データベース中のblog 記事から推薦記事を決定するために,関連性,相違性,話題性の3 つの尺度を用いてblog 記事を評価する.3 つの尺度は順に,ユーザが書いた記事とどの程度関連する話題を含んでいるかを測る尺度,ユーザが書いた記事とどの程度異なる話題を含んでいるかを測る尺度,一時期頻繁に話題にされた内容を記事中にどの程度含んでいるかを測る尺度である.これら3 つの尺度を定量化し,関連度,相違度,話題度を定義する.3 つの尺度によりblog 記事をスコアリングし,上位を推薦記事としてユーザに提示する.MineBlog の有効性評価を目的とした実験により,推薦した記事の約2 つに1 つはユーザの新たな興味につながる推薦記事であるという結果を得た.This paper reports on MineBlog: a recommender system of blogs. Posting a blog-article to the system, the system produces attractive blog-articles to the user and supports the user to discover his/her new interests. The system extracts some blog-articles for recommendation from a database by scoring with three kinds of criteria 窶髏 relevance, difference and topicality. Relevance is a criterion for measuring similarity between an article registered in a database and the user's posted article. Difference is a criterion for measuring dissimilarity between the articles. Topicality is a criterion for measuring whether an article mentions current topics. We experimentally examine the performance of MineBlog. Experimental results show that one of two recommended articles arouse user's new interests.
著者
渋沢 潮 林 貴宏 尾内 理紀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1512-1523, 2007-03-15
参考文献数
15
被引用文献数
5

本論文では,Why 型質問に対する回答をWEB から自動で抽出するシステムの実現を目的として,(1) Why 型質問に対する回答文が出現する位置をWeb ページから特定する回答位置特定アルゴリズム,(2) 得られた回答文の回答らしさを測る回答度スコアを提案する.そして,提案手法を用いた試作システムRE:Why の実装について述べる.10 問の質問を用いて回答位置特定アルゴリズムの評価実験を行った結果,適合率31.3%,再現率50.4%で回答を正しく抽出することを示す.また,20 問の質問を用いて本システムの評価実験を行った結果,本システムは20 問中16 問の質問に対して,正解を抽出することを示す.This paper reports on a prototype system RE:Why for extracting answers of "Why" type questions from WEB. We have proposed an algorithm for finding an answer in a page and a scoring method for extracted answers, and have implemented a prototype system using these ideas. We have evaluated the effectiveness of our algorithm using 10 questions and have confirmed that the algorithm has 31.3% precision and 50.4% recall. We have conducted experiments using 20 questions and have shown that our system output the correct answer to 16 questions of 20 questions.
著者
清野 達也 林 貴宏 尾内 理紀夫 三條 正裕 森 正弥
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.3233-3249, 2009-12-15

領域拡張法(Seeded Region Growing)を改良した高速な画像切り抜き手法を開発し,評価した.本手法はSeeded Region Growingを出発点としており,ユーザの引いた手書き線によって指示される初期前景と初期背景を隣接ピクセルへと伝播させていくことで,画像全体を前景領域,背景領域に分割する.飛び地を含む画像に対する切り抜き精度向上のために,Seeded Region Growingを改良し,閾値を用いた伝播条件を導入している.さらにテクスチャパターンを含む画像に対する切り抜き精度向上のために,Seeded Region Growingを改良し,ユーザの引いた線から前景で利用される色と背景で利用される色を推定し,推定色を用いて各隣接ピクセルに対する伝播の優先度を決定することとした.また,新たなデータ構造を本手法に導入し,高速な処理を行うことを可能にした.本手法を実装したシステムを開発し,評価実験を行い,既存手法と比較し,本手法が処理速度を低下させることなく,手書き線のような初期前景領域,初期背景領域の面積が小さい入力での切り抜き精度の優位性を持つことを確認した.In this paper, we propose and evaluate a method for Fast Image Cutout using improved Seeded Region Growing. The starting point for the method is Seeded Region Growing, which divides an image into foregrounds and backgrounds by growing the initial foregrounds and backgrounds represented by user drawing lines to the neighbor pixels. To improve the precision of Seeded Region Growing for images including enclaves, the method adopts a threshold condition. In addition, to improve the precision of Seeded Region Growing for images including texture patterns, the method estimates foreground colors and background colors from initial foregrounds and backgrounds and decides growing-priorities for each neighbor pixel depending on the esimimated colors. We propose a new data structure for the method, and could achieve speed up. The experimental results have shown the method has the same processing speed as traditional methods and has better precision than traditional methods, when we input small area of initial foregrounds and backgrounds such as user drawing lines.
著者
グェンファムタンタオ 岡部 誠 尾内 理紀夫 林 貴宏 西岡 悠平 竹中 孝真 森 正弥
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.269-283, 2011-01-15

本稿では,web上の大量のレビュー情報を要約する際の基盤技術として,単語を意味的カテゴリに分類するための手法,Bautextを提案し評価する.Bautextは弱教師付き手法であり,係り受け関係と相互情報量に基づいた名詞・名詞句のカテゴリ分類を行う.Bautextの特徴は以下の4つである.1)既存のブートストラッピング法等は,性能が多数のパラメータに依存するため,ユーザは良い分類精度を得るためのパラメータ設定を試行錯誤して見つける必要があった(小町ら,2010).一方,Bautextにおいてはユーザは多数のパラメータ設定をする必要がなく,少数の種語を与え,各カテゴリと単語の関連度(配属スコア)を計算することにより,漸次種語を増加させ,分類を自動化させている.2)既存のブートストラッピング法では,反復ごとに多数のカテゴリが1つの単語を獲得しようとするときに再度評価のステップがあった.一方,Bautextにおいては,各カテゴリが独立な特徴語集合を持ち,それをもとに各カテゴリへの単語の配属スコアを計算し,最大スコアのカテゴリが単語を獲得することでこの再度評価のステップをなくした.そのため,ブートストラッピング法と比べて高速な分類アルゴリズムとなっている.3)既存のブートストラッピング法では意味ドリフトという課題がある.意味ドリフトの原因は,反復処理の過程において,新しい単語を獲得するために使われる抽出パターン数が定数個であるため,以前の各反復で抽出できた適切な抽出パターンの影響が消されることにあると考えられる.これに対して,Bautextでは,各カテゴリが,独立な特徴語集合に今まで抽出できた適切な特徴語(抽出パータンと同じ役割)を保存することと反復ごとに分類対象の単語をランダムに選択させることにより,意味ドリフトを制御する効果が期待できる.4)目的の分類カテゴリに加えて「その他」カテゴリを導入することで,本来評価対象となりえない単語が「その他」カテゴリに移動し,目的の分類カテゴリの適合率が向上するという特徴がある.評価実験では,まず「その他」カテゴリの導入効果を確認した.また,代表的なブートストラッピング法であるBasiliskおよびEspressoの2手法とBautextとを比較し,両者に比べ,Bautextが分類精度,速度,使いやすさの3点において有効な手法であることを確認した.We present and evaluate Bautext, a method for classifying terms into semantic categories, as a fundamental technique used for review summarization of drastically increasing volume of user reviews on the internet. Bautext is a minimally supervised technique for classifying nouns and noun phrases based on dependency relations and mutual information. Bautext has four important features. 1) There is no parameter that the user must manipulate except for seed words. Using an existing bootstrapping method, the user has to find a reasonable setting of multiple parameters by trial and error, on which the classification accuracy heavily depends (Komachi, et al., 2010). On the other hand, Bautext has no such a parameter, and after specifying seed words, no user intervention is required. 2) Bautext is a fast method compared with state-of-the-art bootstrapping methods. 3) Bautext is supposed to constrain sematic drift with independent feature sets for each category and the randomly choosing a term for classification in each classifation step. 4) We introduce "other" category to improve the precision. Adding an extra "other" category to the target categories, it is possible to improve the precision significantly on the trade-off between precision and recall. In our experiment, we compare Bautext with two major bootstrapping methods, Basilisk and Espresso, which show that Bautext is superior in classification accuracy, computational expense, and usability.
著者
林 貴宏 尾内 理紀夫
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.129, no.6, pp.173-180, 2009-06-01 (Released:2009-06-01)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

This paper presents a support system for motion training for dances, sports, gestures, etc. In our previous study, we developed a prototype system for supporting motion training using motion caputure, i.e., marker tracking using a DV camera. The prototype system scores a user's motion by comparing tracking data of the user and a model with DP matching. The prototype system has a limit that it cannot accurately obtain acceleration of each part of the body because marker tracking using a DV camera cannot obtain three dimensional motion. By this limit, two different motions sometimes cannot be distinguished. For more effective motion training, in this study, we propose a system combining motion capture and acceleration sensors. We have examined the effectiveness of using acceleration sensors in motion training by comparing the proposed system with the prototype system. Experimental results have shown that two different motions can be more clearly distinguished by using the acceleration sensors.
著者
伊藤 文啓 林 貴宏 尾内 理紀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.540, pp.5-10, 2007-02-15

本研究ではアダルト画像検出法を提案する。本手法では、対象とするアダルト画像に肌領域が多く含まれ、これら肌領域は色の均質性・集塊性を持つことを前提とする。まず、GMM(Gaussian Mixture Model)を用いて肌尤度画像を作成する。次に、肌尤度画像中で、色の均質性を有する領域のみを検出する。検出された領域ごとに閥値を動的に生成し、その閥値を用いて色の均質性・集塊性を考慮した肌領域の拡張処理を行い、最終的な肌領域とする。そして、求められた肌領域の肌尤度画像をリサイズして得られた値に主成分分析、独立成分分析を適用し、SVMで学習・分類を行い、アダルト画像を検出する。
著者
渋沢 潮 林 貴宏 尾内 理紀夫
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.3_20-3_28, 2007 (Released:2007-09-30)

質問応答技術の分野において,Who,When,Where,What型の質問に対する回答をWebから自動抽出する研究はさかんに行われている.しかし,Why,How型の質問を対象にした研究や実用的なシステムはほとんどない.Why型の質問の回答は,単語ではなく文であることが多いため,その抽出に従来の手法を適用することは難しい.そこで本論文では,Why型質問を表す文と,その回答を表す文の,文章内における位置関係に着目し,Why型質問の回答をWebページから自動抽出する手法を提案し,試作システムRE:Whyを実装した.本システムにおいて20問の質問を用い,精度と再現率を求める実験を行った.実験結果に基づき,従来の検索エンジンに対する本システムの有効性を考察した.