著者
広田 信一 佐藤 純
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 教育科學 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.13-27(371-385), 2009-02-15

要旨 本研究は、生きることや働くことをどのように捉えているかをキャリア観と名づけ、高校生がどのようなキャリア観を持つかを検討することを目的とした。149名の高校生を対象に、「何のために働くと思うか」を問うゴール次元と「どのように生きねばならないと思うか」を問うマスト次元から構成されるキャリア観測定尺度を用いて質問紙調査を実施した。ゴール次元尺度を因子分析した結果、9因子が抽出され、多様な価値観が存在することが明らかにされた。また、ゴール次元とマスト次元との聞には有意な正の相関が認められ、両者の平均値を比較すると5つの下位尺度においてマスト次元がゴール次元よりも平均値が有意に高いという結果が得られた。以上の結果から、高校生が働き生きることについて多様な価値観を抱き、特に「どのように生きなければならないか」という視点を比較的強く持っていることが示唆された。