- 著者
-
庄村 雅子
- 出版者
- 東海大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2009
本研究は、文献レビュー、国内外の視察調査結果と看護相談の質的分析を統合したがん看護相談支援モデルを、SF-36のQOL評価を主要評価項目として効果を査定し、評価・修正し提示することを目的とした。支援モデルに基づき、対象患者41 名、家族19名に介入し、患者と家族のSF-36平均値は増加傾向を示したが、統計的に有意な差は認めなかった。下位項目スコアは、PFは男性で高く、RP、GH、VT、SF、RE、MHはChild-Pugh Bで低かった。相談開始時に、TNMステージIII以上でMHスコア40点未満は生存期間が短かった。ベースラインのMH40未満でOS低値であったことから、心の健康を保つ重要性が確証された。未分析の結果を総合して支援モデルを評価し、介入効果を高めるために、電話フォローを全対象に併用し、介入頻度と内容を追加・修正することや、介入評価法の検討、およびRCTデザインを取り入れることなどが課題に残された。