著者
座間 ともね 南 毅生
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.25-30, 2015 (Released:2015-11-24)
参考文献数
19
被引用文献数
1

猫、短毛在来種、推定年齢8-10歳、不妊手術済み雌猫が、頸部の腹側への屈曲、痙攣発作、虚脱を主訴に来院した。血液検査では低K血症が認められ、腹部X線検査ならびに超音波検査において右側腎臓頭側に副腎に由来すると思われる腫瘤陰影が認められた。低K血症に対する内科療法では、臨床症状のわずかな改善しか得られなかった。また追加の血液検査において、血中アルドステロン濃度の上昇、血清レニン活性の低下が認められた。腹腔内腫瘤は外科的に摘出され、病理組織学的に副腎由来の腺癌と診断された。以上のことから本症例は、副腎腺癌による原発性アルドステロン症と診断された。術後は臨床症状と低カリウム血症は速やかに改善し、4年5ヶ月の長期にわたり生存可能であった。
著者
座間 ともね 別府 雅彦 難波 裕之 難波 信一 枝村 一弥
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.53-58, 2016 (Released:2017-05-17)
参考文献数
24
被引用文献数
1

ミニチュア・ダックスフント、12歳、去勢済み雄が間欠的な歩様異常を主訴に来院した。画像診断ならびに病理組織学検査より第12胸椎の孤立性骨形質細胞腫 (SOP) と診断された。ゾレドロン酸、メルファランならびにプレドニゾロンに極めてよく反応したが、2年後にゾレドロン酸の副作用と思われる下顎骨の骨壊死が発現した。本症例は、SOPが発生した犬に対するゾレドロン酸の副作用についての初報である。