著者
市原 弘善 康 史朗 青山 泰孝 久村 岳央 太田 忠信 古川 佳央 寺田 芳樹 山根 孝久 日野 雅之 麥谷 安津子
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.352-356, 2012 (Released:2012-04-10)
参考文献数
10

症例は62歳,男性。近医にてC型慢性肝炎の診断のもとInterferon-β (IFN-β)で治療が開始された。治療開始後29ヶ月2週目にWBC 2,300/μl, Hb 7.2g/dl, PLT 4.7×104/μl, と汎血球減少を認めIFNを中止。しかし,その後も汎血球減少は進行,LDH 4,898IU/lと急激な上昇を認め,当科紹介入院となった。精査の結果,悪性貧血と診断,ビタミンB12投与により速やかな改善が得られた。ウイルス性肝炎に対してIFN治療が広く行われている。それに伴って様々な副作用が報告されているが,悪性貧血合併報告は稀である。IFN加療中に貧血を合併した場合,悪性貧血を鑑別する必要があると考えられ報告する。