著者
廣岡 佳弥子 市橋 修 本山 亜友里
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.163-168, 2014 (Released:2014-07-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

廃水中の有機物濃度および外部抵抗の大きさをさまざまに変えた条件で,微生物燃料電池にリン,マグネシウム,アンモニアを与えて,エアカソードにリン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)の結晶を析出させる実験を行った。有機物濃度が高い系ほど電流生産量が大きく,カソードへの析出物量も多かった。また,外部抵抗が小さい系ほど電流生産量が大きく,カソードへの析出物量も多かった。また,析出実験開始時の電流生産が多かった系の方が,結晶析出後の電流密度が大きく減少した。これは,カソード上への結晶の析出により酸素還元反応に関わる物質の移動が阻害されたためだと考えられる。
著者
市橋 修 山本 希 廣岡 佳弥子
出版者
Japan Society on Water Environment
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.19-26, 2012
被引用文献数
10

養豚廃水と酪農廃水の二種類の畜産廃水を用いて,エアカソード一槽型微生物燃料電池を運転した。それぞれのリアクターの最大電力密度は,養豚廃水を用いたリアクターでは831 mW・m<SUP>-2</SUP>,酪農廃水を用いたリアクターでは59 mW・m<SUP>-2</SUP>であった。また,両リアクターのアノードにおける微生物群集構造は大きく異なり,養豚廃水および酪農廃水リアクターからそれぞれ,Acidobacteria門,Proteobacteria門に近縁な細菌が見つかった。また,アノードで主に検出された細菌は流入廃水やカソードからのものとは異なっていた。 養豚廃水を用いた系では,カソードへの塩の析出が多く観察され,析出物にはリン,マグネシウム,カルシウムが高濃度に含まれていた。