著者
延時 達朗 庵原 俊昭
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.51-52, 2016 (Released:2016-03-26)
参考文献数
5

症例は1歳2カ月男児. 微熱出現の2週間後に体幹失調を来し受診. 急性小脳失調症が疑われるも運動機能は回復せず, MRI fluid-attenuated inversion recovery像の小脳虫部, 皮質の萎縮と高信号所見から小脳炎の慢性期と診断された. リハビリテーションにもかかわらず認知, 運動機能ともに後遺症を来した. 乳幼児期の小脳炎では, 病初期には潜在的に重症であること, 回復期に認知機能障害を来すことに留意して診療にあたることが重要である.