著者
荒谷 太郎 平田 輝満 長田 哲平 花岡 伸也 轟 朝幸 引頭 雄一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_229-I_246, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
24
被引用文献数
4

本研究では,東日本大震災直後よりあらゆる主体の航空機が飛来した花巻・山形・福島空港を対象に,救助活動などの重要な拠点となった空港がどう使われたのかを明らかにした.震災直後の空港運用上課題となった航空機の飛来数および駐機スペース不足に焦点をあて,主体別目的別の離着陸状況,駐機状況の変化について分析を行った.さらにそれを補うため各空港の管理者や運航主体へのインタビュー調査を実施し,各空港が如何にして多数の航空機を処理し,災害対応活動を支援したかを明らかにした.その結果,震災直後の空港には通常時の6倍~10倍の航空機が飛来したこと,発災後72時間以内の救助活動,救急搬送が多くなることがわかった.さらにインタビュー調査より,駐機スペースに工夫を凝らしていたことや燃料補給体制の課題などが明らかとなった.