著者
弘津 祐子
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.194-202, 2007-08-15 (Released:2016-11-30)
参考文献数
10

トラブルに対し,ヒューマンファクターの側面からの根本原因分析を実施することは,実効性の高い再発防止,さらには重大事故の未然防止に効果的である.根本原因分析結果を充実させる鍵となるのは,トラブル発生後の情報収集である.収集した情報をもとにした背後要因追究の支援方法は,世の中で提案されている根本原因手法で提示されているので,分析者のレベルや分析対象トラブルの重大性などに合わせて選択するのが望ましい.分析結果については,単独で再発防止に活用するほかに,事業所内で共有化されたトラブルの分析結果に対して傾向分析をして特徴を抽出すると活用の幅が広がる.傾向分析結果を事業所の共通的な問題点としてとらえ,安全活動を重点化することにより,活動のマンネリ化を防止できるとともに,その時々の事業所の弱点に的確に対応できるだろう.