著者
張 婷婷
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.90-97, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
32

企業は消費者にメッセージを発信するとき,消費者の注意を引き付け,さらにメッセージを精緻に処理してもらうために,多彩な言葉,ビデオ,アニメーション,3Dなどの手段を利用している。これらのビビッド手段の利用によって,消費者行動にポジティブな影響を及ぼすと信じられている。しかし,ビビッドメッセージは常に消費者行動にポジティブな影響を及ぼすわけではない。そこで,本稿では,ビビッドネス効果(vividness effect)に関する既存研究を,(1)ビビッドネス効果の定義と分類,(2)ビビッドネス効果の有効性に関する研究,(3)ビビッドネス効果を有効とする媒介変数,(4)ビビッドネス効果の有効性を調整する要因という4つに分けて,レビューを実施する。また,ビビッドネス効果研究の発展のため,今後の研究課題として,(1)多感覚マーケティングにおけるビビッドネス効果に関する研究課題,(2)複数のビビッド要素の組み合わせによるビビッドネス効果に関する研究課題を提示す。