- 著者
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上野 勝代
張 潤欣
- 出版者
- 一般社団法人 日本家政学会
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- vol.55, pp.81, 2003
<b>目的</b> 2001年10月、「配偶者からの暴力の防止および被害者の保護に関する法律」(いわゆるDV防止法)が施行されて以来、保護命令の申し立て件数は増加し、シェルター(緊急一時保護施設)における一時保護件数も増加している。ところが、わが国においては、シェルターはその数は公・民ともに不足し、同時に公的シェルターの空間基準は売春防止法に基づくものであるため質的にも多くの問題を抱えている。シェルターはDV被害女性の安全を確保し、心の傷を癒し、自立のための出発点ともなる場であるから、その空間的環境が与える影響は大きい。そこで、本研究では、DV被害者のためのシェルターとして先進しているアメリカ・マサチューセッツ州における事例を取り上げ、空間的要件とその特徴を検討することによって、今後のわが国におけるDV被害者のためのシェルター計画に生かしていくことを目的としている。<b>方法</b> 調査法は訪問ヒアリングならびに観察調査。調査対象は、アメリカ、マサチューセッツ州の5施設である。調査時期は2002年8月~9月である。<b>結果</b> (1)シェルターはソフト・ハードともに安全面での配慮がされている。(2)個人のプライバシーには配慮されており、日本の公的シェルターの多くのところでみられるような相部屋はよほどでない限りはみられない。(3)子どもへのケアが整っている。