著者
張書 文
出版者
一般社団法人日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.109-118, 1997-04-15

近年,生産性の向上や製品コストダウンなどの要請に伴い自動化生産や無人運転を目指して製造現場に自動化設備を導入されている.ところが,チョコ停が自動化生産・無人化運転の目標を阻害する大きな問題となっている.チョコ停に対して,これまで製造現場ではPM分析などによる個別改善が多く行われているものの,改善を通じて解明されたチョコ停の発生メカニズムは個々の事例に止まっており,一般化されていないのが現状である.また,PM分析的なアプローチでは,チョコ停現象の把握や原因の追究に当たって解析者の経験や知識の個人差による影響が起きやすい.さらに,列挙された要因の数が多いため,原因の絞り込みに工数がかかる場合が多い.本報では,多種多様な設備で起きたチョコ停の発生メカニズムには普遍的な共通点が存在しているのではないかという観点に基づき,いつくかの製造現場からチョコ停事例を数多く収集し,過去のチョコ停事例に含まれた発生メカニズムの分類と集約を通じて,チョコ停発生メカニズムの一般化を試みた.その結果,以下の結論が得られた.(1)自動化設備が持つ「方向姿勢決め」「分離」「移動」「加工」「組立」「検査」という6つの作業機能を用いて,チョコ停の現象を分類して一般化することができる.また,チョコ停の現象を"B.作業条件の乖離"⇾"A.作業機能の失敗"⇾"C.作業機能の失敗の影響"という3つに区分することにより,チョコ停の発生メカニズムを一般化することができる.(2)「ワーク」「位置姿勢保持部」「作業端」「伝動部」「駆動部」「検出制御部」という6つの部位を用いて,チョコ停の原因を分類して一般化することができる.また,本報で提案した分類方法を用いて過去の事例を整理することにより,個々のチョコ停改善事例から得られた知見を再利用することができる.その結果,チョコ停解析の際に起こりうる「解析者の経験や知識による個人差の影響」と「原因の絞り込みに必要とする多大な工数」の問題を解決できると考える.