著者
彌富 あかね 五十嵐 滋
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.375-376, 1995-03-15
被引用文献数
8

演奏者は普通、直感及び理論によって音楽構造を分析し、それを反映した演奏を行う。これは、作曲家の音楽的主張の真意を歪めることなく演奏を行うことに必要である。またそのために、人間によるピアノ演奏には普通、音量の大小、速さの緩急などの「表情」がつけられる。ところで、音楽は世界共通の言語である、といわれる。実際、音楽と言語とは、同じ様に構造、音の高さ、速さの緩急、音量の大小をもっている。また、我々は音楽を鑑賞する際のよりどころのひとつとして、言葉と音の原初的体験を持っている。このことから、楽曲の構造を反映した、演奏に対する表情付けのよりどころとして、言葉の発音を用いるという考え方は不自然ではないと思われる。われわれは、次のように実験を行った。1.仮説に従いルールを作る。2.ルールを、プログラムとして記述する。3.楽譜情報を人間が解析する。4.上の解析結果と、楽譜情報、モチーフ演奏の表情データをプログラムに入力して、演奏情報を出力する。