著者
影山 照雄 鮫島 恭夫 小島 孝昭 澤津川 勝市 白石 武昌
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.339-346, 1994-12-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
13

「耳鍼療法」は, 肥満 (症) 治療の一つとして時に劇的に減量効果を及ぼすという。その健常者の体重に及ぼす影響を検討した。6週間の「耳鍼留置」により, 漸次体重は減少し, 有意 (p<0.01) な体重減少者は増加した。その体重減少効果は抜鍼後 (2週) にも及んだ。抜鍼後2~3月後には概ね実験開始前の値に復し,「耳介鍼刺激」は体重減少作用があることを確認した。「耳介鍼刺激」による減量作用と食欲減少には相関がみられ, 実験動物 (ラット) での実験で明らかとなった耳介刺激が視床下部ニューロン活動を修飾することが非肥満, 健康者でも示唆された。