著者
後藤 敏英
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.878-887, 1960-12-20 (Released:2011-10-21)
参考文献数
7

第2報, 第3報においてZn-Cr-Mo-K2CO3系触媒が良好なことがわかつたので, 第4報において, 反応温度, 反応圧力, 空間速度, 原料ガス組成の影響を求めた。その結果, 反応温度は, 400~450℃の範囲が適当で反応温度の上昇と共に, ガス消費率 (CO/H2) は漸次増加しCO2, CnHm, CH4の生成量は増加した。反応圧力についてはイソブタノール収率には顕著な影響はあらわれなかつたが, 生成液量は圧力とともに増加した。200気圧以下では生成水増加の傾向がみられた。空間速度についてはイソブタノール収率のみ考えれば6, 000が適当であり, イソブタノール収量の点からいえば反応温度450℃, 空間速度15, 000が適当と考えられた。原料ガスの組成については,.CO: H2=1: 1の附近が最も高級アルコールの生成が大であり, メタノール, 水の生成は少かつた。しかしCOの多いほど, CH4, CO2, CnHmの生成は増加した。