著者
後藤 清志
出版者
岡山県立大学短期大学部
雑誌
岡山県立大学短期大学部研究紀要 (ISSN:13404687)
巻号頁・発行日
no.3, pp.112-139, 1996

日本の体操競技における競技力向上や強化対策としてのトレーニング方法からスポーツタレント発掘にまつわる具体的なジュニア指導法の実践において,一環指導体制の確立が全国的に定まらず,文化的,社会的な側面からも厳しい環墳での試行錯誤の経験的指導法中心型によってトレーニングされてきたことが考えられる。 そこで,新たな手段として,最近では,旧ソ連の崩壊によって優秀なコーチが海外(各国)に出稼ぎ指導を行い競枝力向上に貢献しており,世界的に注目を浴びている。日本体操界でも,こうしたシステムをうまく活用し採用している。 そして,旧ソ連は世界のトップでもあることから,幾分日本の視点も旧ソ連式トレーニングに傾きかけてはいるものの具体的な段階の基準は明白ではなく,体系的なものや基礎技術,姿勢の重要性を強調する程度である。 しかし,現場の指導者として望んでいることは,どのような段階的過程を経てトップアスリートヘ導き出されたかということの重要性であり,発掘に当たっての具体的なプログラムを提示されないまま個々の指導者用基準に成り立っており,情報不足をものがたっている。そうしたことの解消と旧ソ連崩壊後のロシア国スポーツ・体操競技の現状,さらに40年以上もの培われた基準プログラムを例にこの調査研究は提示した。