著者
後藤 鉄男
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.347-353, 1970-05-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
41

拡がった素粒子像の立場について, 主として剛体模型的な見地を出発点として論ずる. 古典的運動を相対論的にして量子論的に拡張していくと次第に抽象化されたものになる. 明確な定式化の鍵はpoint-like systemという理想化であり, これの一般化は無限成分方程式に導く. 無限成分方程式の形の定式化を具体的問題に応用することがどの程度考えられているかについて簡単に述べる.
著者
後藤 鉄男
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.299-306, 1980-04-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
5

クォークの複合系としてのハドロンに関連して, 拡がりをもつ素粒子像についてのべる. クォーク模型による通常のハドロン像を概観したあとで, そのもっとも簡単な見方であり現象論的にも有効な多重局所模型について論ずる. 多重局所模型はクォーク模型の非局所理論的アプローチではあるが, より統一的なハドロンの理解をうるには励起子としてクォークを把えることが必要となる. このような考えはクォークの特異な性質を自然に理解することを可能にすると同時にSU(3)などの内部自由度を拡がりをもつ対象の属性として理解する可能性をあたえる.