著者
後藤(山本) 奈美 DANG Hong Anh
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.12, pp.949-956, 2006-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
19

実験室酵母を用いた実験で, ALD2, ALD3, 及びACH1の遺伝子破壊は, 発酵条件での酢酸生成に影響しないことが示された。また, ACS2の高発現は酢酸生成を抑制したが, アルコール発酵も阻害した。既報のとおり, ALD6の破壊は酢酸生成を減少させたが, ピルビン酸を高生産しており, これは還元力の不足が原因と考えられた。以上のことから, 酢酸の生成には代謝系の酵素活性の他, 酸化還元バランスの維持が強く関わっていることが推察された。