10 0 0 0 OA 麹と麹菌

著者
和久 豊
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.111-120, 1995-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
97

麹と麹菌の最近の進展について, 清酒から味噌, 醤油さらには焼酎用まで解説していただいた。醸造における麹菌の役割は極めて重要であり, 筆者が述べているように, ニューバイオテクノロジーと従来のいわゆるオールドバイオテクノロジーとがうまく調和した状態で発展することが望ましいと言える。

9 0 0 0 OA コクと日本酒

著者
伏木 亨
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.98, no.6, pp.388-391, 2003-06-15 (Released:2011-09-20)
被引用文献数
1 1

日本酒のコクはゴク味ともいわれ, アミノ酸やペプチドなどの成分のほかに甘みと酸味のバランスなどが関与しているとされる。コクは日本酒の代表的な味覚感覚であり, その実体を明らかにすることは清酒の品質設計やおいしい飲み方などに貴重な情報を提供するものと考えられる。筆者は最近研究が活発になってきたコクを科学的に解明するための研究に取り組まれている。そこでコクにかかわる生理的側面や日本酒との関係について詳細に解説していただいた。
著者
田村 隆幸
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.139-147, 2010 (Released:2012-02-17)
参考文献数
28

酒と料理との関係は,お互いに引き立て合うことが肝要だが,ワインによっては魚介類の生臭味を強調させてしまうことがある。著者らの研究によって,その一因がワインの鉄含量によることが確かめられた。本記事をワインと魚介料理を楽しむための参考にしていただければ幸いである。一読をお薦めしたい。
著者
岩田 博 磯谷 敦子 宇都宮 仁 西尾 尚道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.7, pp.534-538, 2004-07-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
8

口噛み酒製造工程への米α-グルコシダーゼの働きを検討するため, 生米と炊飯米で口噛み試験を行い, 糖組成, α-グルコシダーゼ活性, pH及び有機酸組成の各変化を調べた。糖組成について, 24時間後で, 生米はグルコースが5%, マルトースが0%であったのに対し, 炊飯米ではマルトースが5%, グルコースが0.8%で両者は全く異なっていた。この理由は, 糖組成とα-グルコシダーゼ活性の測定結果から, 唾液アミラーゼにより生成されたマルトースが, 生米のα-グルコシダーゼによりグルコースに分解されたためと推定された。また, 有機酸組成の検討から, 微生物が生成した乳酸などによるpH低下と酵素抽出促進効果がおこり, α-グルコシダーゼが有効に機能する環境条件下で口噛み試験の反応が起こっていることが分かった。以上から, 口噛み酒は生米のα-グルコシダーゼを巧みに利用した酒造りであると推定された。
著者
木村 啓太郎 久保 雄司
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.106, no.11, pp.756-762, 2011 (Released:2017-03-21)
参考文献数
25

我が国の大豆発酵食品の中で,納豆は味噌,醤油と並んで広く愛され,食されている食品である。本解説では,納豆菌と枯草菌の由来,納豆種菌の由来と製造の現状について歴史的変遷を含めて解説していただいた。また,著者らが研究されてきた納豆菌と枯草菌の系統解析や最近の納豆菌ゲノム解析の完了にともなって得られた研究成果から,納豆菌と枯草菌の相違点について,ゲノム上の一塩基多型とクウォーラムセンシング遺伝子の多様性等,明らかになってきたことや今後の納豆,納豆菌研究の注目点と展望について解説いただいた。
著者
久米 堯 伊藤 明徳
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.187-200, 1999-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
22

前2回に引き続き, 今回は麦味噌及び豆味噌を取り上げる。麦味噌は, 九州, 四国・中国地方あるいは関東の一部などで作られ, 味噌の全生産量の約10%を占める。豆味噌は東海3県のみで作られ, 生産量は約5%である。豆味噌, 麦味噌を素材とした調合味噌を含めて, 永年, それぞれの味噌作りに携わって来られた筆者に, 詳しく解脱いただいた。
著者
大浦 新 鈴木 佐知子 秦 洋二 川戸 章嗣 安部 康久
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.10, pp.781-788, 2007-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Amazake is a traditional Japanese beverage made from sake cake or rice-koji produced in sakebrewing process. Recent progressive studies showed that sake cake and rice-koji had various physiological functionalities, such as anti-hypertension, anti-obesity and anti-amnesia. Such functionalities were anticipated in amazake, so we investigated the effects of amazake in mice. Administration of amazake to mice fed a high fat diet for 2 weeks suppressed increases in body weight, serum concentrations of triglycerides, and intraperitoneal adipose depots accumulations. When amazake was orally administrated to salt-induced hypertensive mice, blood pressure showed a significant decrease after 50days of breeding. When impairment of learning and memory in mice was induced by a subcutaneous injection of scopolamine, prior oral administration of amazake prevented a decrease in performance for memory and learning even in a single dose. These results demonstrated that amazake has three types of health-promoting benefits--anti-obesity, anti-hypertension, and anti-amnesia--resulting from attributions of sake cake, rice-koji, and other elements of sake-brewing. These functionalities indicated that amazake should be newly recognized as a natural and healthy drink for the prevention of lifestyle-related diseases.
著者
小崎 道雄 岡田 早苗 関 達治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.46-61, 2002-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

酒は農耕文化の産物で, 酒の原料はその民族の主食と一致している。米は日本人の原味覚となっており, 米を原料とした酒は日本人の心の故郷といえる。筆者の提唱される「米の種類を問わず米を原料として醸した酒」を「米酒」とする定義は日本酒, 焼酎の国際化をも考えなければならない現在, 大いに役立つものであろう。タイ国のいろんなタイプの米酒の詳細な製法が臨場感をもって記述されており, 大変興味深い。筆者の長年の調査研究の成果を, 写真, 図を交えて解説いただいた。「米酒」に関心のある方のご一読をお勧めする。
著者
小崎 道雄 飯野 久和 トク トランリン ホウ ファムタン 関 達治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.327-337, 2002-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10

「米酒」醸造地帯の「米酒」と米関係食品の製法, 特徴, 背景などについて, 東南アジア全域に渡り長期調査された筆者に, 前回に引き続き甘酒, 梗米酒, 糟米酒, 籾殻吸管酒, 焼酎について解説していただい。「米酒」の製造に黒米や赤米を使ったり, 米を焦がす方法や, 米とともに雑穀やキャッサバを使用するといった工夫がみられて面白い.又吸管の籾殻壼酒は親睦だけでなく, 儀礼的にも重要な位置を占めており, 飲酒文化面からも興味深い。
著者
境 博成
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.3, pp.187-196, 2007-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17

現在, 日本の酒類業界では第3のビールと呼ばれる発泡性飲料とチューハイ類の新製品が市場を賑わしている。これらのジャンルの開発は正にメーカーの知恵の勝負で, 多岐に渡る素材が集められ, 使われている。サイダーも日本ではフランス風にシードルと言う名称で商品化されているが, その販売数量は極小さい。一方, 英国では伝統的なサイダーが, ビールと共に国酒とも言える存在として脈々と飲まれ続けている。近年リンゴの健康に対するメリットが次々と明らかにされていることも考え合わせれば, 英国サイダーの現状について詳述されたこの総説は, 単にサイダーの紹介というだけでなく伝統的な酒類の生き残り戦略に多くの示唆を与えてくれる。

3 0 0 0 OA アフリカの酒

著者
安渓 貴子
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.97, no.9, pp.629-636, 2002-09-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16

多様性の大陸アフリカには, おどろくほど多彩な地酒づくりの文化が花開いている。サハラ以南のアフリカの伝統の酒造りの中には, 乾燥地の狩猟採集民の果実酒や, 季節的に雨が降るサバンナ帯のハチミツ酒とさまざまな穀物を発芽させてつくるビールの仲間, 湿潤な森林地帯のヤシ酒や泡盛にも似た風味をもつカビ付けした米の蒸留酒などが連綿とつくられてきた。これは, そうしたアフリカの地酒づくりの技術の科学的理解のための覚え書きである。
著者
布村 伸武
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.3, pp.151-160, 2006-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
37
被引用文献数
1 1

日本の醸造醤油の最も特徴づける香味成分は, このフラノン類の一種HEMFである。この香味成分は最近, 発がん抑制効果があることが認められた。香味成分「HEMF」研究の第一人者の筆者に詳しく解説いただいた。
著者
丸山 勝也
出版者
公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.432-439, 2010 (Released:2016-01-21)
参考文献数
6

節度ある飲酒として純エタノールに換算した場合,1日あたり20g程度が適量とされている。これはどのような医学的根拠から導かれるのか,飲酒家にとっては興味を惹かれる問題である。本稿ではアルコール関連障害の診断,治療を行ってこられた専門医にお願いし,アルコールの作用,アルコール代謝と個人差ならびに関連疾患について医学的側面から簡潔に説明して頂いた。更に,その知見から導かれる病気にならない飲み方についても解説して頂いた。特にアルコール依存症の早期発見や予防のために,自己診断によるスクリーニングテストは有用である。
著者
小松 明
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.10, pp.745-750, 1991-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7

アルコール発酵の主役である酵母にも最適な生育環境があるし, 感情はなくとも生命体である限リストレスがあるはずである。クラッシク音楽を仕込蔵に流し酵母の生育境を好ましいものにし, 酒質を向上させるという話を聞く。音楽を振動に変換波及し, 発酵あるいは熟成を好条件に導くことが出来れば, 人間の飲酒環境にもプラスになる。本報はこのような試みについてまとめていただいた。
著者
伊豆 英恵
出版者
公益財団法人 日本醸造協会・日本醸造学会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.56-62, 2010 (Released:2012-02-13)
参考文献数
10

清酒のおいしさには,きき酒による「口の中で感じられるおいしさ」と「摂取したときのおいしさ(生理的おいしさ)」があり,両者の関係を筆者は,マウス,飲酒経験の浅い初心者群及び官能検査経験を有し長期飲酒経験者群について検討した。その結果,清酒の美味しさを決定する因子として,初心者群はマウスと同様,生理的美味しさが重要であるのに対し,経験者群は生理的美味しさの占める部分は少なく,情報や文化,経験など味覚以外の情報も影響していることを明らかにした。そのほか,空腹時と摂食後の嗜好の違いや美味しさを左右する要因についても言及しており,人間の嗜好判断の複雑性が理解できる。熟読をお勧めしたい。
著者
吉田 清
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.12, pp.910-922, 2006-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7
被引用文献数
4 6
著者
吉田 元
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.579-587, 1997-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
6

筆者は, 発酵食品を中心とした日本科学技術史を研究しており, 東アジア諸国へ出かけて行った日本人がその国の伝統的な酒をどの様に紹介しているか等, 日本人とアジアの酒の歴史的なかかわり方について興味深い調査を行っている。台湾の米酒は日本人の手でアミロ法が導入され近代的製造法に切り換えられた。筆者は, 本年春再度台湾を訪れて米を原料とする伝統的な地方酒づくりの現場を約1週間にわたり見学し, 詳細な説明を受け新しい知見を得た。本稿ではあまり知られていない台湾の酒造工業の現状について御紹介していただいた。読み物として興味があるばかりでなく, 我が国の製造にも有益なヒントが含まれており参考になると思われる。